不思議

土地の呪い その3

山に住むようになって数年間、祟り神の攻撃を受けたのは私だけだった。しかしその矛先はやがて福千代にも向けられるようになった。 福千代は夕飯を食べると大抵食後の散歩に出る。ある晩散歩から帰ってきた福千代の口に少し血がついていたので口の中...
不思議

土地の呪い その2

斜向かいのNさんによると、私の前にそこに住んでいたのは高齢のご夫婦と息子さんで、最初は3人とも元気だったという。ところが引っ越してきてすぐ奥さんは転んで怪我をし、車椅子の生活になったらしい。この奥さんと息子さんは仲が悪く、激しい怒鳴り合い...
不思議

土地の呪い その1

日本では様々なものを神として祀り、実に多くの神社が各地に建立された。神話に登場する神様を祀るのにあまり違和感はないが、安倍晴明や菅原道真など人間を祀った神社の存在はおそらく外国の人には理解しがたいだろう。また道を歩いていると時々小さな祠に...

福ちゃんへ

あなたがこの世を去ってからもう一年が過ぎました。ママは何とか生きています。偉いでしょ? あなたなしで一年も生きてこられたんだよ。 あなたに一番伝えたいのは、ママは心からあなたに感謝しているということです。20年前、千歳お姉ちゃんが逝...

福千代からのプレゼント?

福千代がこの世を去って、私は悲嘆に暮れていた。それでも千歳の時ほどの凄まじい苦しみではなかった。“死”に対する考え方があの頃とは随分変わったからだ。千歳は死後も度々私の所に来てくれた。その経験から動物も死ぬと魂が残るということを知った。苦...

千歳が亡くなった後、私は千歳の霊を何度か見たり気配を感じたりしたが、千歳の夢を見たことは一度もなかった。夢で逢いたいとどれほど思ったかしれない。けれど今日に至るまで、千歳の夢は一度も見ていない。 対照的に福千代の霊はたぶん見ていない...

別れ

外構工事が終わり、引越の片付けやらややこしい手続きなどが一段落して、やっと一息つけるようになった日、福千代の大好物の金目鯛を買ってきた。たぶん福千代は刺身の方が好きだが、生の魚はあまり消化がよくないので、軽く茹でたものを与えた。よほどおい...

猫に期待すること

猫を愛する人が憧れる、“こうしてくれると嬉しいな~”という猫の行動が色々ある。ある人は一緒に寝るという、比較的難易度の低い課題をクリアできずに寂しい思いをしているかもしれない。またある人はリードをつけなくても自分にピッタリ寄り添って散歩し...

最後の引越

外構工事はまだ終わっていなかったが、新居が完成したので1月末、引っ越すことにした。福千代の足腰がだいぶ弱って階段の上り下りがきつそうだったので、平屋の新居に一日も早く移りたかったのだ。平坦で日当たりのいい庭では福千代が気持ちよく日向ぼっこ...

良いウンチ 悪いウンチ

下血は止まったものの、下痢はなかなか治らなかった。日に何度も下痢をし、夜中にトイレを往復することもあった。福千代は体がトイレの中に入っていてもお尻が少しはみ出していることがあり、時々トイレの外にやってしまう。そのため私は福千代がトイレに行...
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