2020-10

武千代

福千代は一人っ子でいることを望んでいるし、私も愛情の全てを一匹に捧げるのが性に合っていると思うのだが、一度だけ、もう一匹飼うことを真剣に考えたことがある。 職場の駐車場にはいつも数匹のノラ猫がいた。人を警戒して1メートル以上近づくと...

猫の嫉妬

私は若い頃、猫屋敷とまではいかなくとも、4,5匹の猫と一緒に暮らしてみたいと思っていた。猫同士がじゃれ合う姿を見るのは楽しいし、そこここに猫がいるのはどんなに幸せなことだろうと憧れていた。しかし福千代は他の猫の存在を決して許さないだろう。...

救助猫

私は子持ちカレイの煮付けが好きだ。しかし子持ちカレイは決して安くない。なのであまり作らないが、ある日スーパーで半額になっていたので買ってきた。 卵にも味が浸みるよう、じっくり煮たのだが、食べてしばらくすると体中に蕁麻疹ができた。たぶ...

猫に見えるもの

猫は人間には見えないものが見えるという。福千代がどうやらそういうものを見ているなと思うことが3回あった。 福千代にとって2度目の引越の日のことである。引越屋さんが帰り、私が荷物を片付けていると、福千代は新居を隅々まで匂いを嗅いで探検...

猫は人間の言葉がわかる

猫はどの程度人間の言葉を理解しているのだろう?  まず自分の名前は完全に理解している。私が「福ちゃん」と呼べば必ず返事をする。眠っている福千代の耳元で、聞こえるか聞こえないか分からないぐらいの小さい声で「福ちゃん」とささやくと、すぐ...
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