猫は人間の言葉がわかる

猫はどの程度人間の言葉を理解しているのだろう?  まず自分の名前は完全に理解している。私が「福ちゃん」と呼べば必ず返事をする。眠っている福千代の耳元で、聞こえるか聞こえないか分からないぐらいの小さい声で「福ちゃん」とささやくと、すぐ...

吹雪の夜

山の上の別荘地に住んでいた時のことである。 その日は低地でも雪が降っていた。私は退社後タイヤにチェーンを巻き、途中スーパーで買い物をして自宅に向かっていたのだが、別荘地の入り口付近まで上っていくと道は凍り、ツルツル滑るので、かなりス...

お出迎え

福千代は私が仕事から帰ると、必ず玄関で出迎えてくれた。「おかえりー、おかえりー」とにぎやかに鳴いて、私にぴったりついて部屋に入った。山に住んでいた時は猫ドアから自由に出入りできたので、毎晩駐車場まで出てきてくれた。また私の帰りを駐車場で待...

猫に赤ちゃん言葉

猫に話しかける時、赤ちゃん言葉になる人がいる。若い女性が使うなら、それほど違和感はない。しかしもっとお年を召した方が「~でちゅねー」などと言う様は少し異様に思えた。自分が猫を飼うまでは… 猫と暮らし始めると、無意識のうちに「ごはんに...

人間は猫に服従する

福千代は甘えん坊だった。福千代が外から帰ってくると、私は無事に帰ってきてくれたことを感謝し、「福ちゃん、おかえり~」と抱きしめ、頭を撫で頬にキスをし、また抱きしめるといった長い儀式を行っていた。しかし山に移ってからは、家の周りが安全で事故...

野生の飼い猫

猫というのはたとえ生まれた時から飼い猫であっても、野生の本能はなかなか抜けないものだ。ひらひら動くものにじゃれつかない猫はいないだろう。あれは紛れもなく狩猟本能のなごりだ。動物園のライオンも、ハタキを振ると猫と同じ仕草でこれにじゃれついて...

理想の最期

福千代が7歳ぐらいになると、私は福千代と一緒にいられる時間がもう半分を切ってしまったのではないかと恐ろしくなった。猫の平均寿命は確か14か15歳ぐらいだ。福千代と過ごした7年など、あっという間だった。残りの時間もきっと同じように過ぎていく...

お風呂は嫌い…のはずだけど

猫はきれい好きである。暇さえあればせっせと自分で体を舐めているので、体臭というものが全くない。だから嫌がるのを無理してお風呂に入れるという習慣はなかった。 とはいえ、たまに自分のウンチを踏んでしまった時とか、おしりにウンチが付いてい...

ガーデニング

アパートを出て一戸建てに移ると、私はガーデニングを始めた。植物は元々好きで、いつもプランターで季節の花を育てていたが、やはり庭があるのが理想だ。花だけでなく木も植えて、癒しの空間を作ろうと思った。 まず最初にハナミズキの苗をホームセ...

恐怖のノロウイルス

私は普段あまり味噌汁を作らない。体に良いと分かっていても、つい面倒くさくて省略してしまう。一か月のうちに一度も味噌汁を飲まないことも稀ではなかった。 しかしある日スーパーでアサリを見ると、無性にアサリの味噌汁が飲みたくなり、久しぶり...
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